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長崎で最大震度4の地震...「地震少ない」長崎で何が

更新日:3 日前

こんにちは、サニーリスクマネジメントです。2025年7月25日、長崎で最大震度4の地震を観測しました。長崎といえば「地震が少ない」で知られていますが、実はリスクは十分に存在します。今回は地震の様相と市内の様子についてみていきましょう。


本記事は2025年7月25日正午時点の情報をもとに執筆しております。最新の情報はお住まいの自治体や気象庁のサイトなどを参照してください。


【目次】


長崎で最大震度4の地震を観測


地震が発生したのは午前11時過ぎ。気象庁によれば、長崎県南西部を震源とする深さ10km、M4.7の地震です。長崎県の諫早市と雲仙市で最大震度4を観測したほか、遠いところでは山口県防府市でも震度1を記録するなど西九州を中心に揺れが観測されるなど、九州では比較的大きな地震となりました。津波の心配はありません。おおよその震源の位置は、以下のマップに示す通りです。




















山あいの県道124号線近く。養鶏などが盛んな地域で、国道251号線をさらに東へ進むと赤い土の特徴的なジャガイモ畑が広がります。余談ですが、今年は諫早市内初の道の駅「251いいもりじゃがーロード」がオープンし、諫早から雲仙にかけての長崎のジャガイモシーンはさらに盛り上がりを見せています。


青空と畑
雲仙市愛野のジャガイモ畑

そんな長崎で突如として起きた地震。普段地震とはほぼ無縁の長崎市や諫早市でも揺れを観測したことで、県内では大きなニュースとなっています。11時すぎに起きたこの地震以降、正午までに長崎市南西部を震源とする地震の観測は発表されていません。


M4クラスで深さ10kmとやや浅かったこの地震。この地域でやや大きな地震が観測されたのは40年ほど前になる1984年以来。当時は島原半島における普賢岳山麓の地域を中心に群発地震が発生し、最大震度5を観測しました。


今回の地震は1984年の群発地震における余震の震源域と同じエリアで発生しています。このエリアは長崎県の断層のひとつである「雲仙断層群」の北部にあたり、注意が必要です。雲仙断層群北部の最新活動時期は約5,000年前以後とされており、断層の中では比較的新しいため、平均的な活動間隔や長期的な地震の発生確率を算出することは難しくなっています。ただ、雲仙断層群北部において今後30年間で地震が発生する可能性という観点では、全国の中でも「高いグループ」に位置付けられており、「いつ大地震が起きてもおかしくない」という警戒が必要であり、今回のように数十年に一度などのスパンで地震が起きる可能性は十分にあります。


どんな揺れだった?


そんな2025年7月25日の地震、私は最大震度3を観測した長崎市で過ごしていました。地震の揺れは地盤の性質や建物の耐震性能・階数・工法によって感じ方が大きく異なるため、長崎市で最大震度3を観測したとしても誰もがそれを感じるわけではありません。


私は屋内にいたのですが、揺れは「ガタガタ」としっかり感じられました。揺れを感じて机に入ろうとしたところで収まったので、ごく短い揺れだったといえます。体感では震度2ほどでしょうか。軽い置物の位置が少しずれる程度の揺れでした。


長崎県は地震発生と同時に災害警戒本部を立ち上げ、情報収集にあたっています。


【県危機管理部/地震の大きかった自治体のページはこちら】


「長崎は地震が少ない」は神話?


長崎で市民の方から聞くのが、「長崎は地震が少ないから大丈夫」というもの。実際、長崎は関東や東北と比較すると地震の少ない地域です。海洋プレートの境界である海溝からやや遠いため、他地域と比べると地震のリスクは小さいといえるかもしれません。


しかし、安全神話は崩れる日が来ます。例えば1995年の阪神・淡路大震災。震災発生前の関西では「関西は地震が起こらない」という安全神話がありました。そんな中で突然、早朝に非常に大きな地震が起こったことで建物の倒壊や火災を伴う大きな災害となりました。地震が少ないということは安心できる要素のひとつかもしれませんが、安心し切って備えをしていなかった場合、かえって被害が大きくなる可能性があります。


長崎県内でも普賢岳の活動を経験している島原市は比較的災害への警戒心が高いように思われます。前述の群発地震や火山性地震を含め、熊本県に近いことから熊本地震でも県内では比較的大きな地震を経験しているので、その災害経験が活きているのではないのでしょうか。


一方、県内で最も人口の多い長崎市を例にとってみると、地震そのもののリスクは島原半島と比較して大きくはないものの、雲仙断層群南西部は長崎市まで伸びていますし、市街地エリアの一部は揺れや液状化に弱い地盤で形成されているため、やや大きな地震でも想像以上の被害が発生する可能性があるのです。


私自身も長崎で過ごしていて、「カタカタ」と揺れ始めたところで、

👩「ついに来たか...?南海トラフ?」

なんて思っていたので、自戒も込めてバイアス(認知の偏り)や慣れには気をつけたいところです。南海トラフ巨大地震が起きた日には、長崎でもこの日以上に大きな揺れとなるでしょう。


次に揺れた時のために備えよう


長崎だけでなく、日本全国で日々様々な大きさの地震が起きていますし、同時にどこにいても地震のリスクがあります。特に浅い陸地などを震源とする断層型地震の原因となる活断層は日本全国に2,000ほどあり、また2017年の熊本地震のように、大きな地震活動ののちに新たな断層が発見される場合もあります。つまり、「いつ・どこで・どんな地震が起きるかはわからない」ということだけは確かなのです。


今回の長崎の地震で、怪我や家具等の破損はなかったでしょうか。また、事業に支障が生じた企業はなかったでしょうか。地震の揺れを感じた時に、とっさに身を守る行動が取れたでしょうか。


地震から身を守るには、


  • 家の中の安全な場所と危険な場所を確認する

  • 揺れを感じたらすぐに頭や身体を守る行動を取るようにする

  • 家具を固定して転倒・破損を防ぐ

  • 防災バッグを用意してすぐに避難場所に逃げられるようにする


など、ご家庭で少しずつ始められる小さな対策がたくさんあります。また、企業においても事業を止めないために、地震発生時の安否確認・安全確認の方法を定めたり、事業所やその付近の安全/危険箇所を確認したりと、小さいながらも従業員や財産を守る取り組みをとることができます。


サニーリスクマネジメントでは、災害が発生する前にその損害を小さくする「リスクマネジメント」を通して、地域・企業の皆さまのより安全安心な暮らし・経営をサポートいたします。


「地震や災害への対策をしよう!」と思い立ったらサニーリスクマネジメントへ...



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